2012年12月07日

唾液の殺菌作用と口呼吸

唾液の持つ代表的な働きに殺菌作用があります。

人間を含めて生物の口というのは固形物や水分
空気を含めて様々な物を取り入れる入口なのですが
良い物だけではなく人体に有害な要素も入ってきます。

経口摂取される物の中で不都合な物の代表といえば
やはり、様々な疾病や悪しき症状を引き起こす雑菌
バクテリア(病原性微生物)ではないでしょうか。

これらの病原菌はおもに空気を媒介として侵入し
粘膜経由で血液の中に入り込んで増殖すると
様々な疾病や病状を引き起こす原因になります。

その最も代表的で誰にでも経験になる例が風邪です。

ただ、吸気によるウィルスの侵入は口からだけとは限らず
鼻からの酸素吸入に伴って体内に侵入する可能性もありますが
鼻毛によってかなりの量の病原菌がシャットアウトされます。

しかし、残念ながら口腔内には構造上そういった機能はなくて
口から酸素を吸い込んでしまった場合にはかなりの高い確率で
病気の原因になる病原性微生物を吸い込んでしまいます。

日頃から鼻呼吸が自然に身に付いている人であれば
取り立てて心配知るような重大な問題はないのですが
蓄膿(副鼻腔炎)や鼻炎などによって口呼吸が慢性化し
ドライマウスによって唾液の分泌量自体が低下していると
これらの病原菌の感染を容易に許す結果となってしまいます。

ただ、唾液にはさまざまな抗菌因子が潜んでいますので
唾液の分泌が盛んであればかなりの殺菌作用が働いてくれます。
ちなみに代表的な抗菌因子としては以下のとおりです。

・リゾチーム
・ペロオキシダーゼ
・ラクトフェリン
・免疫グロブリンIgA
・ヒスタスチン




Posted by 陳大命 at 20:13